マルチ栽培とは


ぷらと果樹園 マルチ栽培の様子

マルチ栽培


デュポン タイベックマルチシート

当園では米国デュポン社のタイベック®マルチシートを使用したマルチ栽培を導入しています。

このシートは光の反射・耐水性・透湿性・通気性に優れた高品質なみかん栽培用の資材です。

 

マルチ栽培とは、みかんの木の下に白いマルチタイベックシートを敷き詰め、降雨を遮り土壌水分を調整し、太陽光を樹幹内部まで乱反射させることにで、着色が良く、糖度を上昇させ、より美味しいみかんを栽培する方法です。夏の暑い時期に急斜面に広範囲にシートを広げるのは大変な作業になりますが美味しいみかんに仕上げるには欠かせない作業になります。

 

 

光たっぷり・水ひかえめ


みかんにとって水は大事な要素ですが、基本的には干ばつに強く、夏以降は必要以上の水はいりません。少ない水分育てることで、糖度が高くなります。実際に、降雨量の多い年と少ない年とで、平均糖度が1度以上も変わることがあります。

たった1度の差と思われるかもしれませんが、みかんは0.5度でも違うとはっきりと甘みの違いが感じられます。

 

そこで、天候に左右されない高品質なみかんを作るために、夏以降に地面を白いマルチシートで覆って余計な水分を遮り、必要に応じて開閉して水分を調整する栽培方法が近年少しずつ増えています。

 白いマルチシートは、樹幹内部まで光を乱反射させ、葉の光合成を助け、糖度を高め、果実の着色も良くなります。光合成は糖を実に蓄えるのを助け、水を遮ることによって果実に余分な水分を蓄えないため、甘さが凝縮された濃厚なみかんができるのです。

 

しかし、この栽培方法は、夏の炎天下での被覆作業が過酷であり、時間と資材、労働力が必要です。また、過度の水分ストレスがかかった場合、樹勢が非常に弱くなる場合があります。そのため、収穫後に適切な樹勢回復の作業が必要になります。これを怠ったると、翌年実をつけなくなったり、最悪の場合は木が枯れてしまうリスクがあります。

 

以上の理由から、すべての園地でマルチ栽培を行うことはできず、付加価値のつくマルチ栽培をできる範囲で導入することが一般的です。希少な存在の愛媛のマルチ栽培みかんですが、果皮が薄く、濃厚な味わいですので見かけたら是非食べてみてください。

 

マルチ栽培×急斜面


どこでもマルチシートを敷けば良いみかんが出来るわけではありません。少量の雨ですと大丈夫ですが、近年のように1日で大量の雨が降るような場合ですと折角マルチシートで防いだ雨もシートの端から地中に染み込み結局根から水分を吸い上げてしまいます。ですので効率的に排水する必要があります。それに最も適しているのは八幡浜のような急斜面での栽培になります。マルチ栽培×急斜面。これが最も理想的な栽培と言えます。

 

もともと3つの太陽で日当たりもよく急斜面で水はけがよく美味しいみかんができる八幡浜でマルチ栽培を取り入れることで絶品とも言えるみかんに仕上げることができます。

 夏の過酷な作業のマルチ栽培と理想的な愛媛の地形から、極上みかんは生まれます。